四十七人の刺客



長く続いた戦乱の時代も徳川幕府により終止符を打たれ、鎖国を完成させた日本は平和な安定期に入っていた。そんなある日、事件は起こる。
赤穂5万3000石の藩主、浅野内匠頭長矩が江戸城にて吉良上野介義央を斬りつけるという刃傷事件が起こったのである。前例によれば、刃傷事件が起こった場合は喧嘩両成敗の原則が用いられ、双方共にお家取り潰しは免れない。突然の事件に慌てふためく赤穂の重臣達。しかし、家老・大石内蔵助良雄はこの事件の背後に、敵の存在を感じたのである。浅野内匠頭の即日切腹、途中までしかない遺言。この事件はただの刃傷事件では片付かなかったのであった。

この本を読むきっかけとなったのは、赤穂市で行われる「赤穂義士祭」(300周年記念)の赤穂義士一般募集枠に通ったことでした。 以前、映画を見たこともあり、とりあえずはこの本を読んでみようと思ったのが始りでした。
この本の題名「四十七人の刺客」にも表われていますが、従来の「忠臣蔵」とは異なる視点で描かれています。忠臣蔵で有名な挿話などはほとんど用いられず、筆者らの徹底的な資料分析と解釈により、見事な物語が展開されています。侍の生き方、士道とは何なのか?歴史とは何なのか?そして、真実は何なのか?ここで詳しくは語れませぬが、拙者はこの物語にだいぶ影響を受けました。これまで、赤穂浪士派だった方・吉良派だった方、双方にご一読していただきたい作品であります。

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