功名が辻

司馬遼太郎 著
文春文庫

戦国武将、山内一豊とその妻、千代の物語。「内助の功」により、最後は土佐24万石の大名となる立身出世物語。山内一豊は決して弱くはないが、強いわけではない。愚かではないが、賢いというほどでもないという平凡な武将のようだったのですが、その妻・千代の巧みな亭主操作により、少しずつ少しずつ出世していき巧みに織田・豊臣・徳川政権を生き抜くことに成功するどころか、最後は土佐一国の主にまで登りつめました。それゆえ、妻が夫を支えて出世させることを「内助の功」と呼ぶようになったそうです。
歴史の世界では、教科書などに名前が残る女性はわずかなので、男が主役の世界だと思われがちですが、実際はそんなことはないと思います。現在と同じように、多大な影響力を持っていたと思うのです。ただ、表立って政治を行ったり戦に出たりすることが少ないので、男の影に隠れてしまうだけなのでしょう。
前から思っていたことですが、この本を読んでよりいっそう強く思いました。
「女性は強し」


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