三国志

吉川英治 著

2世紀後半の中国。長く平和が続いた後漢王朝。官僚は私利私欲に溺れ政治を顧みず、中央政府は乱れに乱れていた。太平道の教祖、張角(ちょうかく)が起こした「黄巾(こうきん)の乱」は中国北部を中心にまたたく間に広まったのである。この黄巾の乱は、教祖の張角が髪をまとめるのに黄色い布を使っていたので信徒達も同様に黄色い布で髪をまとめたことに由来する。この反乱は若き将校や義勇軍の活躍によって鎮圧されたが後漢王朝の権威は回復せず中国は群雄割拠の戦国乱世へ突入する。やがて群雄達もひとり、またひとりと抗争に敗れて消えゆき魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国が中国を分割し三つ巴の争いを繰り広げる。世に言う「三国時代」である。後世の人は、この時代に生きた数多の武将達が織りなした物語を「三国志」と名付け様々に形を変えて世に広まったのであった。
この小説では三国時代の終わりまでを主に蜀:劉備側の視点から描いています。かなり壮大な物語ゆえ、登場人物の数も多く、長編になっておりますが、その分読み応えはあると思いまする。拙者の場合、まず小学生の頃に漫画を読み始め、中学生ぐらいのころから小説を読み始めました。拙者の歴史好きのきっかけとなった作品だけあって、個人的に強い思い入れがあるのでござる。侍列伝にもありますが、拙者は趙雲と諸葛孔明がかなり好きでござる。


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