天と地と

海音寺潮五郎 著

主人公は上杉謙信。彼が生まれる少し前、群雄割拠の越後から物語は始まり有名な第四次川中島会戦の終了まで描いております。映画・大河ドラマの原作ともなっておりますが、拙者は小説が一番好きです。この本に描かれている上杉謙信には、神がかり的な軍神ではなく多くの苦悩を抱える一人の男、という印象を受けました。彼は純粋であり潔癖であり、強い信念を持っています。それゆえ、自分自身に厳しく足かせをはめると同時にライバルの武田信玄や周囲の状況に大きく心を揺り動かされます。しかし、拙者はこの本に描かれている謙信が一番実像に近いのでは?と思いました。そして、そんな謙信が大好きです。


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