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天龍寺

創建 暦応2年(1339年)
関連人物

足利尊氏
後醍醐天皇
夢想礎石

現在地

京都府右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68

史跡指定

曹源池(国の特別史跡名勝第一号)
1994年、世界文化遺産登録

<天龍寺の歴史>
 京都の嵯峨に位置する天龍寺は、1994年(平成6年)に世界文化遺産に登録されており、景色の綺麗な嵐山公園の近くにあります。天龍寺は、北朝の足利尊氏が、吉野で亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔うために、夢想礎石(むそうそせき)を開山として創建した寺です。北朝のトップである尊氏が、対立していた南朝のトップの菩提を弔う、というのは一筋縄では合点がいきません。なぜ、尊氏は敵対していた後醍醐天皇の菩提寺を創建したのでしょうか?
 尊氏は、世の中の流れで後醍醐天皇と対立することになってしまったが、心では天皇を慕っていたとか、政治的に南朝と融和を図るための手段であったとか、尊氏の天龍寺建立には様々な憶測が飛び交っています。ちなみに、この地は、後醍醐天皇が幼少期を過ごした場所でもあるそうです。
 さて、天龍寺創建にあたって、夢想礎石は資金調達のために「天龍寺船」による元との貿易を進言したそうです。これが後の勘合貿易のきっかけとなったとか。
 こうした経緯を経て創建された天龍寺は、康永2年(1343年)に七堂伽藍がほぼ整い、京都五山の一つに名を連ねるほどになりました。しかし、延文元年(1356年)の火災をはじめ、8回の火災に襲われてしまい、現在の建物の多くは明治期に再建されたものになっています。

<交通情報・入園情報>
・阪急「嵐山」駅より徒歩15分ほど
・拝観料:庭園500円 本堂100円

探検日:2005年7月16日
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