徳川実紀完成

<概要>

天保14年(1843年)12月22日。
初代・家康から10代・家治までの徳川家の歴史をまとめた歴史書「徳川実紀」が34年間の編纂事業を経てついに完成した。「徳川実紀」では、幕府の法令・人事・行事などを年代順に記載しており、1542年から1787年までの245年間を、本編、付録、目録など合わせて517冊にまとめている。
「徳川実紀」編纂の発案者は大学頭(だいがくのかみ)の林述斎はやし じゅつさい)で、1799年のことであった。1801年に編纂が決定され、1809年12月から幕府の図書頭(ずしょのかみ)の成島司直なるしま ともなお)が中心となって編纂事業が始まった。
「徳川実紀」には、将軍の動向を中心に幕府の業績を細かく記載されている。幕府の日記、記録などを引用し、編集者の主観や過剰な脚色を避けているため、信頼性が高いとされている。3代・家光が80巻付録6巻で最多。8代・吉宗が62巻付録20巻で2位となっている。
この歴史書の名前は最初は「御実紀」であり、「徳川実紀」と呼ばれるようになるのは明治以降である。なお、11代・家斉以降についても編纂が進められ、こちらの方は「続徳川実紀」と呼ばれている。

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