石和川中島合戦 戦国絵巻

第27回 2005年4月17日

ゆるり甲冑隊、石和に現る!!

 この頃、近畿地方を拠点に活躍の場を広げている「ゆるりの集い(代表:辰之進)」の動きが注目されている。この会はいわゆる「歴史同好会」のようなものだが、その活動内容は従来の同好会とは、やや性質を異にしているようだ。あるメンバーは、地元の歴史・お気に入りの人物についてよく調べており、剣術などの武道をたしなむ者もいる。またある者は優れた技術で刀を加工したり、手製の甲冑を作製したり、昔の時代の小物を作ったりと、個人個人の特性を活かした活動を行っている。中でも珍しい(?)と思われる人々は、自ら甲冑を製作あるいは購入し、各地で開催されている歴史を題材とした祭りに好んで参加している人々だろう。
 山梨県の笛吹市(合併前は石和町)で春に開催されている「石和川中島合戦 戦国絵巻」は、1561年に激しい戦いを繰り広げた武田信玄と上杉謙信の「川中島の戦い」を数百人規模で再現する、大きな祭りとして有名だ。今回、「ゆるりの集い」のメンバーが石和に集合し、一部隊を率いて参加するというので、小生も部隊に加えてもらい、密着取材を行ったものである。
 「ゆるりの集い」の配役は、上杉軍・新発田尾張守長敦隊。参加者は以下の通りであった。

新発田尾張守長敦

桔梗御前

副将

春日源助

足軽(雑兵)

辰之進

河井計実

同田貫

根岸

落ち武者の多気

抹茶ん

まさき♪

左京亮

雑賀孫八

吉之介

吉法師

ka-ko

つち右エ門

違い鎌

山内兵馬

自前甲冑

因幡真親

 と、祭り参加者だけで18人。これに、隊内パンフレットのイラスト作成を担当したマニラ戦国伝達人など、後方支援者を含めると、ゆるり隊の動員兵力は数十人に及ぶ規模になったと思われる。


4月16日(土)
 石和川中島合戦の前日。拙者はこれまでと異なり、東京方面から甲斐の国に向かいました。前2回は、近畿から夜行バスで行って帰ってくる、という強行軍をしておりましたが、今回は電車で数時間。かなり楽な旅になりました(^o^)。この日は、甲府で戦国武田氏の史跡を巡り歩いた後、夕方にゆるり甲冑隊で集合。楽しい前夜祭となりました(^-^)。それにしても、ゆるりのメンバーは個性派揃いで楽しいですね(笑)
 拙者はいつもの通り、飲んだ後は眠くなってしまったので、解散後は早々に寝床につきましたが(^_^;)、中には朝方まで武術について語り合う方々もいらっしゃったようです。

4月17日(日)

この日は、昨年と同様に、朝から暑いぐらいの晴れの日でした。やっぱりお祭りは晴れが一番です(^-^)。今回が石和初陣となったゆるり隊ですが、準備はいろいろと念入りに行ってきました。
まず、第一に足軽用の背旗。通常は、上杉家の家紋「竹に雀」の紋が入った背旗が用意されるのですが、実行委員の担当者と交渉して、ゆるり隊独自の旗を着用することを認めてもらえたのです(^o^)。左写真に写っているのが、ゆるり隊の背旗です。黒地に白で、ゆるりの隊章を入れました。カッコイイでしょ(笑)??

第二は袖印です。袖印は、平安時代の頃から、敵味方の識別のために用いられていたそうです。背旗は足軽のみが着用となっているで、大将・副将も含めて全員が同じ部隊であることを示すために、という目的で製作されました。
製作は碓氷雪殿。彼女は、今回は軒猿衆の部隊に所属して参加となりましたが、なんと全員の分の袖印を作ってくれたのです(驚)!
そして、左下のイラストも描いてくれました。イラストは酔っぱらった犬なのですが、そのモデルは辰之進殿だとか(笑)
そして、「ゆるり隊」の文字を書いてくれたのは、残念ながら石和不参加となってしまった貴千代殿です。彼は以前から、石和に行きたい!!と言っていたのですが、事情で来れなくなってしまいました。しかし、その場にはいないけれど、このような形ででも参加したい・・。彼の気持ちが伝わってきましたね。

 左上写真はズラリと整列した上杉軍団。石和は今回で3回目の参加ですが、毎回その規模の大きさを実感しております。武田軍の人数も合わせたら、本当に戦国映画の合戦場面が撮れそうですね。
 そして、右上写真は上杉軍の出陣式・武蹄式の練習風景です。そういえば、今年の上杉謙信役は一般から募集されていました。見事に謙信役を引き当てたのは、今回で6回目(7回目・・だったかも)の参加となる、歴戦の方でした。威風漂う、強そうな印象の方でしたね。

 簡単な説明が終わった後、お昼休憩となりました。大将役の桔梗御前殿は、着物がたいへんよく似合う方です(^o^)。今回、鎧を着るのは初めてで合戦形式のお祭り参加も初めて、とのことだったのですが、事前にゆるり隊内でアミダくじをしたところ、見事に大将役となりました♪体力温存のために、休憩中は鎧兜は脱いでおかれておりました。3色威しの鮮やかな大袖の鎧。それを見た拙者は思わず・・
拙者「あの・・休憩中、この鎧をお借りしてもよろしいですか??」
言ってしまいました(^_^;)
 桔梗さんから快くご承諾いただき、早速着用開始!足軽の畳鎧を脱ごうとしたところ、河井計実顧問から「その上から着てみては?鎧下の鎖帷子の代わりみたいなものだから」と、アドバイスをいただきました。というわけで、畳鎧の上に見るも鮮やかな威しの鎧を着こんで、その重量を味わってきました(笑)
 ダッシュ、うんてい、地球儀と、子供の如く遊ぶ武者(笑)。おそらく、周囲からは「何をやっているんだ、あいつは」と思われていたことでしょうが、そんな拙者をあたたかく見守っていただいたゆるり隊の皆様と、同じ血が流れていそうな軒猿衆の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです(笑)

ちょっと疲れたところで記念撮影。
左写真は、ゆるりの集いの代表、辰之進殿と、軒猿衆で参加の碓氷雪殿。
右写真は、軒猿衆の営業部長(?)やーたろー殿と、弾正隊の大江松寿丸殿。
(軒猿衆と弾正隊は、今年は合同参加となりました。)

一通り遊んで満足した後(我ながら子供のようであるわ(^_^;))、鎧は桔梗御前さんにお返しして、元の足軽に戻りました。鎧を脱ぐと、足軽姿の軽さがよりいっそう実感できました(笑)
そして、いよいよ上杉軍全軍が合戦場に向かって移動します。


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