しものせき海峡まつり

第19回 2004年5月3日

武者行列は平氏が先発し、源氏が後ろから続く形になりました。なんとかもってほしい天気でしたが、願いは届かず、この辺りからサァーっと降ってきました。(無念)


商店街を行進する平氏軍
(写真提供:真下昌景殿)

行列を先導するのは、プログラムの進行にあたる劇団員の方でした。
左写真は商店街の中ほどで勝ち鬨を上げた時の写真です。
さすがに劇団員の方だけあって
エイ!エイ!オォ〜!!」の音頭の声が、よく通る勇壮な声でした。
単純に大きいだけではなかったです。
声の出し方も工夫した方が効果的ですね。

(写真提供:真下昌景殿)

雨はだんだんと強くなってきましたが、行列は市場や水族館といった建物が並ぶ海岸通りに向かいました。けっこうな雨が降り出してきましたが、観客の数はけっこう多かったですね。傘をさして行列の写真を撮っている方も多かったことを覚えています。
そんな中、隣を行進していた弟役の米屋宗盛殿曰く
米屋殿「兄上〜。ボートに乗って巌流島に行きたいよ〜・・」
拙者「なにゆえに??」
米屋殿「巌流島に逃げたいよ〜・・」
拙者「・・・・
弟よ、泳ぎが得意なら泳いでゆけ。」

(注※
平宗盛は、清盛亡き後、平家の惣領となりました。しかし、平家物語に描かれる宗盛はかなり情けない人物で、愚かな悪役として描かれております。壇ノ浦の合戦の時も、実質的な平家の総大将は弟の知盛でした。そんな宗盛の特技は「泳ぎ」。壇ノ浦で敗れ、海に飛び込んだ後も、死にきれずに泳いでいるところを源氏に捕らえられました。その後、源頼朝の指示で斬首刑となりました。)

さて、行列は特設ステージに到着し、源平分かれてそれぞれに出陣式が執り行われました。祭壇が用意されていて、神主さんも出てきました。出陣式に神主さんが登場するのは初めて見ましたです。その後、いったん休憩場所のテントに引き返しました。乗船組は漁船に乗り込み、合戦組はしばらく休憩です。一時は止みかけたように思えた雨が、再び降り始めてきました。


休憩室の一場面。雨中の行進、お疲れ様です。

そろそろ合戦劇の時間ですが、雨脚はますます早くなってきました。ザァーっという雨音がはっきりとそして強く聞こえるようになりました。兜のまびさしから、雨雫が何滴も何滴も滴り落ちてきました。これだけの雨に降られたのは、拙者の初陣である「賤ケ岳天下とりまつり」以来かもしれません。
合戦組は雨の中を出陣し、隊列を整えて合戦場に入場します。ここでBGMが流れたのですが、これがまたいい演出をしておりました。最初の平氏軍のBGMはちょっと暗めで重い感じの、滅亡を間近に迎えるのにふさわしい哀しい響きを持った旋律。続いて入場してきた源氏軍は対照的に、元気のよい行進曲のような旋律で、勢いがよさそうでした。平氏軍は両翼が前に出て、中央が後ろに下がる鶴翼の陣。源氏軍は中央に兵力を集めて三角形の形をしている魚鱗の陣。拙者の位置は、平氏軍の最左翼。観客の最前線でありました。源氏側に、相手役の左近殿の姿を確認。いよいよ合戦の時。高鳴る鼓動。
「者ども、我につづけ〜〜ぃ!!!」
合戦開始の合図と共に太刀を抜き放ち、源氏軍に向かって突進!
雨のせいか、ちょっと滑って転びそうになりましたが、何とか転ばずに済みました。石和の二の舞は御免でござる(笑)。
源氏武者とすれ違って、飛び上がって誰もいないところに向かって太刀を振り下ろしました。殺陣で拙者が飛び上がるので、ここで練習を兼ねた演出を一つ。そして、源氏武者と再びすれ違って、今度は元いた位置に戻ります。戦場は両軍が入り乱れる状況になりました。ここで、殺陣組の出番です。まずは拙者と左近殿。左近殿の姿を確認した拙者は、早速名乗りを挙げました。
「我こそは相国入道様が嫡男、平重盛である!お相手仕ろう!!」
(注※「相国入道(しょうこくにゅうどう)」:清盛のこと。相国とは太政大臣のこと。清盛は太政大臣になった後、出家したために「入道」となったため、この呼び名がついた・・はずだったと思います。)
実はこの「名乗り」、左近殿の名乗りとほぼ同時に挙げてしまったのです(^_^;)。打ち合わせの段階では
「源平時代の合戦だから、名乗りを挙げてから戦いましょう。」
ということになっておりました。が、此度の名乗りはちょっと失敗でした。
名乗りを挙げたあとは、練習通りの殺陣を演じました。動作をちょっと大げさ気味にして、一撃一撃に掛け声をかけながら演じておりましたが、夢中だったためか、拙者の頭には切れ切れの記憶しかありません。最後に、左近殿に胴を斬られて膝をつく、という演技が終わった後は、すぐに従者たちの督戦に向かいました。後で、拙者と左近殿の立ち回りを見ていた惟新殿と黒龍斎殿の話によると、大きな失敗もなく、無難に役割を果たすことができたようです。
拙者らの次は、米屋殿と弾正殿の女武者対決、最後は惟新殿と黒龍斎殿のスピード感溢れる立ち回り(左京亮殿は体調不良のため、急遽出陣停止となりました。)、と続いていきました。その間、拙者は従者に混じって左近殿と共に
「隊を整えよ!踏みとどまって戦え〜ぃ!!」
「押せ押せ押せ〜〜ぃ!!」
と声を張り上げながら戦場を走り回っておりました。そして、劇団員の方から一時後退の命令が伝えられ、合戦劇は幕を閉じます。

合戦劇に続くのは弓合戦。といっても、弓矢で射ち合うのではなく、的を射て的中数を競うものです。
源平双方から先鋒・中堅・大将と3人の弓道有段者の方が、先鋒と中堅は2射、大将は3射ずつ放って、総的中数で勝敗を決めるわけです。
写真は平氏大将の方(役柄は平経盛。ちなみに、源氏方の大将の役柄は那須与一でした)。
今年の結果は、源氏6中、平氏1中で、源氏の圧勝となりました。
平氏側の拙者としては残念な結果でしたね(^_^;)

当初の予定では、弓合戦の後もイベントがあったのですが、雨脚が少しも衰えず。残念ながらここで切り上げとなりました。
出番を終えた拙者らは、休憩室でお昼ご飯(^o^)。この時食べた弁当はおいしく感じましたね。

休憩室の一場面その2。
隣は静御前殿です。
(写真撮影:左近殿)

引き上げ途中に頼まれた記念撮影。
雨の中でも嬉しそうなお子さんでした。
(写真提供:松永弾正殿)

最後は集合写真で終わりです。
あいにくの雨となってしまいましたが、今回も楽しいお祭りになりました!
皆様、お疲れ様でした!
<謝辞>
今回共に参加された惟新殿、殿、黒龍斎殿、左京亮殿、左近殿、徳子殿、真下昌景殿、松永弾正殿、米屋繁霞殿
今回もお世話になりました。また次の機会もよろしくお願いいたします。
行列、勝ち鬨、合戦劇の司会進行を務めた劇団の方々もお疲れ様でした。
そして、此度の祭りを企画・運営された実行委員の皆様と関係団体の方々に、この場を借りまして深く御礼申し上げます。

来年待ってるよ(^o^)



(最後の写真は徳子殿の提供でお送りしました。)


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